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長い言葉を考える

英語では長い言葉はあまりありません。有名な最長語に次のようなものがある程度です。

pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis

これを分析すれば、次のようになります。

pneumono / ultra / micro / scopic / silico / volcano / coniosis

肺    超   微   視    珪素  火山   症

注:珪素は「けいそ」と読み、土の主な成分SiO2(二酸化珪素)

だから直訳すると「肺超微視珪素火山症」で、意味は「火山から出た非常に小さく見える珪素の粒(=火山灰)が肺に入った病気」で、通例、「塵肺」と呼ばれます。

さて、日本語の世界では、特に伝統文化分野では色々とややこしい言葉がたくさんあります。今日は、仏教の分野で、私が最近興味のある言葉を紹介します。

それは、「理趣経」の正式名称で、「大楽金剛不空真実三昧耶経般若波羅蜜多理趣品」(たいらく・こんごう・ふくう・しんじつ・さんまや・きょう・はんにゃ・はらみた・りしゅ・ほん)です。これは、空海に弟子入りした最澄が、空海に貸して欲しいと言って断られた経典として有名です。

この名称の1つ1つに意味があります。

・「大楽」=普通の楽(pleasure)ではなく本物の[=永遠の]楽[=genuine pleasure]

・「金剛」=ダイヤモンド(=金剛)のように堅く強いこと[=strong]

・「不空」=空(むな)しからず、ということで確実であることを示す[=sure]

・「真実」=真の意味で正しいということ[=true]

・「三昧耶」=仏と一体となった悟りの状態[=enlightenment]

・「経」=釈迦の説いた教えを記録した聖典[=sutra]

・「般若」=最高の智恵を表す[=supreme wisdom]

・「波羅蜜多」=実践徳目を表す[=sacred virtue]

・「理趣」=正しい道筋を表す[=right way]

・「品」=経典の中の1章[=chapter]

従って、この経典を英語で全ての意味を表記する形で翻訳したら、次のようになります。

the chapter of the right way towards the sacred virtue of supreme wisdom in the sutra for genuine pleasure-inducing, strong and sure, true enlightenment

ところで、教育の「育」は「云」と「月」から成っています。「云」は赤ん坊が生まれるところ、「ム」の部分が赤ん坊の頭を表していると言います。ということは、逆子ではないので「正確さ」ということを表しています。一方、「月」は肉付きを意味し、「強さ」を意味しています。この「正確さ」と「強さ」は、子供を育てることだけでなく、人生全般に重要ですね。

「不空」「真実」の意味は、それぞれ「確」と「正」なので、合わせて「正確さ」すなわち、「育」の「云」の部分、「金剛」は、「強さ」を表すので、「月」の部分に相当します。

また、「正」という漢字は、「止め偏」です。つまり、「一」と「止」から成っています。「一」は目標または結果を表し「止」は地に足をしっかりつけていることを意味します。地に足をしっかりつけて目標を見据えているということが、人生における正しさであると言えます。「止」は、足をしっかり地につけて歩くことも意味します。しっかりと足を地につけて歩く場合でも、単に惜しみなく努力をするだけでなく、正しく目標に向けて歩かないと「一」に届きません。つまり、努力の量[=中身](しっかり努力すること)と努力の質[=方法論](正しい方向に努力すること)の2つが重要だということです。

「止」が暗示する努力の量は「般若波羅蜜多」の修行で、努力の質は「理趣」(=正しい道筋)に対応します。そして「一」の目標は、仏教的には「三昧耶」(仏と一体になること)となります。そして最終的に、結果として「大楽」を導きます。

結論として、「理趣経」は、<育>と<正>が教える重要なコンセプトで、その名称が出来上がっていることになります。

大楽 金剛 不空真実 三昧耶 経 般若波羅蜜多 理趣 品

一    月     云     一       止     止

結果 強さ      正確さ         目標               努力の量    努力の質

 

「前置詞活動」を進める

日本人の英語能力向上に「前置詞」の果たす役割は大きいと思います。私は、前置詞に関するすべての活動を「前置詞活動」と称し、前置詞教育家および前置詞研究家として、世の中に貢献したいと考えています。

まず、「英語前置詞普及会」というNPO法人を今年中に立ち上げる予定です。これほど重要な前置詞ですが、前置詞に特化したNPOがないからです。そこでの活動は、次のとおりです。

(1)前置詞の言語学的研究

(2)前置詞教育の方法論の研究

(3)前置詞関連本の発行

(4)英語前置詞技能検定試験(略称:前置詞検定[更に短縮して「前検」])の実施

(5)日本前置詞学会の設立と機関誌(仮称『THE 前置詞』)の発行

(6)前置詞塾の設立と前置詞セミナーの実施

やや遊び感覚になりますが、「前置詞手帳」「前置詞日記」「前置詞カルタ」「前置詞ゲーム」「前置詞占い」などのようなものも開発しようと思っています。

すでに、遊び発想から生まれた前置詞に関するお話は、このブログでも紹介してきました。例えば、「前置詞ピラミッド」や「前置詞マンダラ」、そして哲学的ではありますが、前置詞と空海の「六大」説の関連性、そして派生した「<前置詞=空>説」についても触れました。これらは遊び発想ではありますが、真理の一側面が見え隠れします。

よほど前置詞が好きと思われるかもしれませんが、私は、前置詞は英文法界の王的存在と言えると考えています。(品詞の王は前置詞と言えます・・・ちなみに前置詞の王は of と考えてよいでしょう)

そんな重要な前置詞をマスターしようではありませんか?そして、共に「前置詞マスター」(更には「前置詞超人」)になりましょう。

ある人に、前置詞超人を超える前置詞如来を目指しているの?と尋ねられたことがあります。そうですね。前置詞如来(前置詞を完全に悟った人)を目標にしたいですね。

『前置詞がわかれば英語はすらすら書ける!』における前置詞ofの例文

私は『前置詞がわかれば英語はすらすら書ける!』を出版しましたが、その54ページにあるofの例文(04番)で、ofが消えてしまっています。これは明らかに誤植でした。このブログで訂正し、更に、補足の説明をします。読者の皆さん、申し訳ありませんでした。

 

その例文は次の通りです。

(1) U.S. intervention in Japan was significant.

(日本に対するアメリカの干渉は大きかった。)

 

上記のような例文が載っていたわけですが、これを、ofを用いて表すと、次のようになります。of句内では、U.S.はthe U.S.とするほうが安定します。見た目に加え、声に出して読むときに語呂が良いという側面もあるからです。

(2) The intervention of the U.S. in Japan was significant.

 

ここで、the U.S.はinterventionの動詞形interveneの主語に当たるので、このofは主格のofと言われます。

 

同じ日本語表現でも、他動詞から派生した名詞を用いた句を作る場合、主格のofと目的格のofのどちらを用いることも可能な場合があります。例えば、「日本人の自然愛好」は、次のようになります。

(3) 主格のofを用いる場合 the love of the Japanese for nature

(4) 目的格のofを用いる場合 the love of nature by the Japanese

 

主格のofと目的格のofを同時に使うことは、通常出来ません。(*印は容認されないことを示す。)

(5) a. *the love of the Japanese of nature

b. ??the love of nature of the Japanese

注:(5b)は意味が理解可能。

目的格のofが先に現れると容認度が上がる。

 

日本語の「日本人の自然愛好」の「の」は主格を表す「の」と言え、「日本人による自然の愛好」の場合の「の」は目的格を表す「の」と言えます。

 

主格を表す「が」や目的格を表す「を」を用いて同じことを表すと次のようになります。「を」を用いた場合は「が」も同時に用いるのが普通です。

(6) [=(3)] 日本人が自然に対して愛情を持つこと

(7) [=(4)]

  1. 日本人が自然を愛すること

b. *日本人が自然愛好

c. *日本人が自然の愛好

d. ?日本人が自然を愛好

注:dは名詞句として安定している感じはしないが、エッセイやスピーチの見出しとしては問題ない。? は間違いとは言えないがやや不自然な表現を示す。

 

「敵による都市の破壊」という意味の次の表現も押さえておきましょう。

(8) 目的語のofを用いた句

  1. the destruction of the city by the enemy

b. the enemy’s destruction of the city

c. the city’s destruction by the enemy

  1. ??the enemy’s city’s destruction
  2. *the city’s enemy’s destruction

(9) 主格のofを用いた句(#は意味が変わってしまうことを示す。)

  1. the destruction of the enemy against the city
  2. #the destruction of the enemy for the city

注:(8a/c)と比べると(9a)はやや不自然に感じるネイティブ

スピーカーもいる。

 

(8)と(9)を眺めるとofは目的格のほうが、主格よりも優先されるのが分かります。また、(9b)におけるofは、この意味が「都市の利益のために敵を破壊すること」となるため、目的格のofなのです。この意味でもofは目的格が優先されると考えてよいでしょう。

 

前置詞ofは奥深いものだと分かっていただきましたでしょうか。

前置詞の不思議 その3

前置詞36個のうち、重要な前置詞を絞り込むと9つになります。それは、前置詞ピラミッドの頂点に立つ of と、0次元から3次元空間の事物を示す at, on, in (atは0次元、onは1次元と2次元、inは2次元と3次元に関係)、起点と着点を表すfromとto、方向を示す for(不定詞の意味上の主語を表すことに尽力)、主語を表す by(受動態で大活躍)、付帯状況も表せる withの9つが、重要な形容詞です。

実は、この9つは、密教の「金剛界曼荼羅」の9つのセルに、うまく当てはめることができます。これを「前置詞曼荼羅」と呼んでいます。

 (a) 前置詞マンダラ

at by for
on of with
in to from

 

 

 

 

 

          

  (b) 前置詞の3グループ表示

  [1] 縦の前置詞群の意味    [2]横の前置詞群の意味

 

 

 

   時間関係前置詞
 関連関係前置詞
 位置関係前置詞

 

この曼荼羅上への前置詞の配置は,縦と横に並ぶ前置詞3つが,意味的なまとまりを保ちます。言い方を変えれば、9つの前置詞は、うまく3つずつまとまって曼荼羅のような形に収まっているのです。

それぞれ3つの前置詞の意味の共通点について,縦の前置詞群を(b)[1]図で,横の前置詞群を(b)[2]図で表しています。3前置詞のまとまりのそれぞれを簡単に解説します。なお、Pは同じグループ内の3つの前置詞を表しています。

①    空間関係前置詞  at / on / in

<X+P+Y>の形で、XがYという空間に存在することを表す。それぞれの空間ついては、atが点(0次元)、onが線と面(1~2次元)、inが面と体(2~3次元)の空間である。

②    人間関係前置詞  by / of / to

byは主格(動作の主体)を表し、ofは対格(動作の対象)を表し、toは与格(授与の対象)を表す。例えば、次の文を名詞化すると、全ての前置詞が現れる。

John gave Mary a book.

→ the gift of a book to Mary by John

対格  与格  主格

③    因果関係前置詞  for / with / from

forは原因と目的の両方を表すことができる。

・I can’t sleep for the cold.(寒くて眠れない) [原因]

・He went for a swim.(彼は泳ぎに出かけた) [目的]

withは原因の意味を表すことができる。

・She trembled with fear.(彼女は恐怖で震えた) [原因]

fromも原因の意味を表すことができる。

・Her cheeks were red from the cold.

(彼女の頬は寒さで赤くなっていた)[原因]

④    時間関係前置詞  at / by / for

atは「ある時点で」、byは「ある時点までに」、forは「ある時点から別の時点まで(=期間)の間」という意味を表す。これは時間関係の代表的な意味。

⑤    関連関係前置詞  on / of / with

全て「…について」の意味であるが、onは専門性、ofは「ちょっと」、withは関心を暗示する。

・a book on sociology(社会学書)

  1. a book about sociology(社会学に関する本)[専門書でなくても可]

・think of… (…をふと考える)

・talk of… (…の噂をする)、

・hear of… (…を耳にする)

・He is in love with her.(彼女に恋している)

[←彼女について恋の状態]

⑥    位置関係前置詞  in / to / from

fromは起点、toは着点、inは内在(=何かの中にいること)を表す。基本的には、from, to, inの順番で物事が進む。<from X to Y and in Z>で、Xの地点からYの地点まで動き、Z内に落ち着くことを暗示する。

・She went from Osaka to Tokyo and stayed in Shinjuku

for 3 nights.

(彼女は大阪から東京にへ行き、新宿で3泊した)

「キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の知識と英語を身につける」の誤植

私は、『キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の知識と英語を身につける』という本を世に出しましたが、現在のところ、以下の誤植が見つかっています。きちんとチェックしたつもりですが、漏れておりました。次回の増刷で、修正しておきます。申し訳ありませんでした。※の箇所は、語彙力を増やすための工夫です。補足情報としてお読みください。

■P247の(4)のところでimportという単語がつかわれていますが、形容詞ではimportantが正しいです。

※importは名詞で、「趣旨」(the …の形で用いる)と、「重要性」(of …の形で用いる)の2つの意味があることも覚えておきましょう。

→ I failed to grasp the full impot of her speech.

(私は彼女の演説の趣旨を完全には理解しなかった。)

This is a matter of great import to us.

(このことは我々にとって非常に重要なことだ。)

 

■P253の注の箇所は、句読点が不自然な形になっています。注の2行目の文は、以下のようにします。

The ‘Umrah,’ the private pilgrimages to Kaaba, and ‘Jara,’ those to Muhammad’s and other saints’ graves, are also included in this category.

つまり、Kaabaの後にコンマが必要、‘Jara,’の後にandは不要、gravesの後にコンマが必要、そして、最後のアポストロフィは不要です。

 

■ P263の下から8行目以降の文は以下のようにするとよりよくなります。

The resurrected will be gathered around to weigh their faith and good deeds with their bad deeds.

※<weigh 人 こと>の構造があれば、それを受身にし、<人 is weighed こと>が可能ですが、通常はこの構造はとらないでしょう。gathered around and weighedという形は、ネイティブには通じると思いますが、語法的はよくないので、to不定詞の目的を表す副詞的用法にします。この意味上の主語は神ということになりますが、分かりきっているのでfor Allah (Godも可能)のような句を必要としません。

※weighを用いた例文を挙げておきましょう。

→ We should weigh up the pros and cons of doing it.

(それを行うべきかどうかについて入念に検討すべきだ。)

They weighed one plan against another at the meeting.

(彼らはその会合で計画を1つ1つ比べ合わせて検討した。)

前置詞の不思議 その2

前置詞は、主要なものが36個ありますが、それらの分析の仕方によって、ピラミッドが出来上がります。

 

  • 英語前置詞ピラミッド●

(1)       of

(2)       before, after

(3)       at, on, in

(4)       over, under, above, below

(5)       from, for, toward, to, into

(6)       by, until, during, through, within, since

(7)       about, between, among, with, without, besides, against

(8)       around, near, along, across, behind, beyond, beside, beneath

 

<分類の根拠>

(1)       ofは前置詞の王様ともいえる超基本前置詞

(2)       基本的な時間関係を表す基本前置詞

(3)       基本的な空間関係を表す基本前置詞

(4)       空間の上下関係を表す基本前置詞

(5)       因果関係を表す基本前置詞

(6)       時間の一歩進んだ状況を表す基本前置詞(時間関係を詳しく示せる前置詞)

(7)       人間関係を表す基本前置詞

(8)       空間の一歩進んだ状況を表す基本前置詞(空間関係を詳しく示せる前置詞)

 

(1)から(8)に分類しましたが、同じカテゴリーに属する前置詞の数が、(1)から(8)

の順にそれぞれ1個から8個になります。まさにピラミッドを構成していますね。

 

当然ですが、1から8までを足し算してゆくと、36になります。

前置詞の不思議 その1

さて、今回は私の大好きな品詞である「前置詞」の話をしましょう。

前置詞は、according to や in spite of のような群前置詞(この前置詞は108個あります!)をのぞけば、それほど多くなく、基本前置詞は36個存在するぐらいです。私の好きな数(=36)だけ、前置詞が存在するわけです。

ところが不思議なことに、36個のうち、なんとそのちょうど4分の1が a から始まり、また、ちょうど4分の1が b から始まります。 つまり、a から始まる前置詞が9個、b から始まる前置詞も9個存在するのです。それだけではなく、これらの前置詞は、対になるのですよ。

以下に表で示してみましょう。

 

2字 時間 空間 超える 沿う 反発 位置
A群

B群

at

by

among

between

after

before

above

below

across

beyond

along

beside

against

besides

「周り」

「後と下」

 

2字で出来ている前置詞 at と by は、時間的には「~に」と「~までに」で意味的に対比されるし、空間的にも「~で」と「~の近くで」で、中心部とそれに近い場所で、対比的と言えなくもないです。

3人以上の間を意味するamongに対して、2人間のbetween、時間的な後を意味するafterに対して、前を意味するbefore、空間的な上を意味するaboveに対して、下を意味するbelowは、完全な対比関係が見られる前置詞群ですね。

同じ「超える」意味を持つacrossとbeyondですが、acrossは近くの線的な空間を横切るので、近いイメージを持つのに対し、beyondは平面的、あるいは、立体的に、遠くへ超えてしまうイメージを持つという意味で、対比的です。

同じ「沿う」ニュアンスのalongとbesideは、線的に沿っているのがalongであるのに対し、点的に沿っているのがbesideという点で、対比的です。

「反発」を意味するagainstに対し、besidesを対にしたのは、besidesには「~を除いて」という意味があるからです。排除の意味が反発に近いので、同じジャンルに分類しているのです。人間社会で譬えると、againstは「対抗する」のに対し、besidesは「無視する」イメージがあり、対比的と言えなくもないでしょう。

最後に「位置」とありますが、中心的な存在に対して、周辺のあり方に関する前置詞も対比できます。例えば、X(=中心的存在)の周りに集まるイメージは、aboutやaroundが持っています。それに対し、Xの背後や下に現れるイメージは、behindとbeneathがそれぞれ有しています。中心物に対するあり方も対比的なのです。

基本前置詞36個のうち、半数の18個が a と b に、非常に<知的に>集まっているということです。どうでしょうか。前置詞は不思議な品詞ですね。

俗に、「桃栗3年、柿8年」という言い回しに似せて、「前置詞3年、冠詞8年」と言われますが、前置詞は3年でマスターできる代物ではありません。しかし3年で概要が分かってくると言えるでしょう。

英語面白ことわざ (1) 「頭カットして尻拡散」

「頭隠して尻隠さず」という言い回しがありますが、英語の世界では、「頭カットして尻拡散」です。

このことは、構造面、意味面、そして綴り面の3つの分野でいえることです。

まず、構造面で考察しましょう。

(1) a student of physics who is afraid of dogs (犬を恐がる物理学[専攻]の学生)

(1)では、studentを修飾する句(of physics)が先に来て、who is afraid of dogsが後に来ています。構造上句よりも節が長いからです。構造上、長いものが後に来るわけです。

(2) It is important to study English conversation. (英会話を勉強することは大切だ)

(2)では、to study English conversationが主語で、元来は、To study English conversation is important.というべきところですが、長いものは後ろに現れることを好む英語としては、仮の主語(it)を置いてでも、このこと(=後ろのほうに長いまとまりが来るようにすること)を達成しようとしている感じです。

これらのことから、構造的に、「頭は短くカットして、尻を拡散している」といえるのです。

次に、意味面です。

(3) I live in Nagao, Hirakata City, Osaka. (私は大阪府枚方市長尾に住んでいます)

(4) She arrived in Tokyo at 2 p.m. on the afternoon of the 3rd.(彼女は3日午後2時に東京に到着した)

(3)は空間的、(4)は時間的に、大きな概念ほど、後ろに現れています。意味的に「尻拡散」が行われているといえます。

最後に、綴りの世界でも、「尻拡散」はいえます。

(5) a. red and yellow (赤と黄色の)

  1. yellow and red (黄色と赤の)

英語では、(5a)のほうが、(5b)よりも好まれるのです。このことは、構造や意味とは関係ないです。単純に単語の長さの問題です。

つまり、英語は「頭カットして尻拡散」ということになるのです!

「立文安国論」を唱える

鎌倉時代の傑僧、日蓮は、『立正安国論』(りっしょうあんこくろん)を著して、<「正法」を立てて国を安定させる>ということを目指しましたが、私は、『立文安国論』(りつぶんあんこくろん)を唱えて、<「文法」を立てて国語を安定させる>ということを目指すべきだと考えています。

実は、文法を知っていると、微妙なニュアンスの違いが分かり、また、表現できます。例えば、次の文の違いがわかりますか?

(a) John is older than middle-aged.

(b) John is more old than middle-aged.

(a)は、「ジョンは中年よりも年を取っている」という意味です。中年(青年と老年の間で40から50歳ぐらい)よりも年だということは、彼は初老ぐらいだということを意味するわけです。しかし、(b)は、「ジョンは「中年」というよりはむしろ「年寄り」だ」という意味で、表現の問題を言っています。つまり、ジョンはmiddle-agedよりもoldで表現するほうがよいと主張しているのです。微妙なニュアンスの違いですね。このような違いがわかる世界が文法を理解している世界です。

文法は、奥深く面白いものだと主張することも「立文安国論」のテーマの1つです。また、詳しく説明しましょう。

『36』の不思議

私が「36」という数字に興味を抱いて、実は、36年になります。完全数6(1+2+3=1×2×3)の2乗で、1から8までを足した数、そして、金剛界曼荼羅の9つのセルの図の中にある四角形の数、それが36です。

36は、人の体温の平均値に近く、この半分の18は一分間の呼吸数に近く、その2倍と3倍は、血圧の下と上の値に近い。文化においても、富嶽三十六景、三十六不動尊、三十六歌仙、三十六計逃げるに如かず、などなど、三十六は1つのまとまりを成します。

民俗学的には、36は鯉の鱗の数とされ、鯉が滝登りをして出世し、龍になると鱗は3倍の108になります。108は煩悩の数としても有名な数字です。

言葉遊び的にも「36」は「ミロク」と読め、神聖な数といえるでしょう。36を構成する「6」は完全数であることは先に述べましたが、もう1つの「3」も三位一体の「3」で神聖な数です。3と6を足した「9」も「3」という陽数の2乗で、中国ではめでたい数です。

私は、精神年齢を常に36歳に保つことを心がけています。つまり、気持ち的には常に36ということです。そして、その3倍の108歳で、茶寿を祝って生涯を閉じるのが理想です。ちなみに、「茶」という漢字は、「十十八十八」に分析でき、10+10+88で108になります。だから108歳の祝いが「茶寿」なわけです。

というわけで、私は1から100までの数字の中で、最も好きな数字は何かと問われれば、間違いなく36を挙げます。だから「36」が私のメールアドレスにも含まれているのです。ちなみに、私の大学のアドレスは、englight36@socio.kindai.ac.jpです。

ところで、36を1つの学問として捉えられないかとすら思います。三十六学とすると、36個の学びがある感じがして、「36」に関する学問という雰囲気がないし、「三十六」学とすると「三十六」という文学か芝居があって、それに関する学問のようなので、学問としての設定はなかなか難しいかもしれません。今回の話のタイトルも「36の不思議」とすると、36個の不思議があるという意味になるので、「『36』の不思議」としています。

実は、「36」という数字には36個の不思議があります。このことと、今回のブログで述べたことを更に詳しく掘り下げて、本にして出版したいと考えています。ご期待ください。