重なり志向と分かれ志向・・・その6

今回は、これまでのエッセイのまとめ(最後の部分)を紹介します。

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5.まとめ

2つのものがあり、それに対して何らかの対処が必要な場合、2つの方向性がある。1つは、2つをまとめる方向、もう1つは2つを分ける方向である。前者は重ね志向、後者は分け志向といえる。その志向性を結果から見れば、それぞれ重なり志向、分かれ志向ということになる。

本稿では、日本文化は重なり志向、西洋文化は分かれ志向という全く正反対の発想を持つということを論じた。この側面は、いろいろな事象から証明されることである。

重なり志向における「重なり」は「重」を連想するが、日本語において「重」を含む単語、すなわち、「重要」「重視」「貴重」「慎重」などがあるが、これらは、全てプラスイメージである。つまり、このこと自体、日本文化は重なり志向であることを意味している。

一方、英語の世界で「重」を意味するheavyにはプラスイメージの意味が極めて少ない。このことは、西洋において重いことを重視しないということを暗示する。そして西洋文化が重なりを嫌う可能性を示唆する。重なると重さを連想するからである。15

しかし、同時に、全てすっきりと割り切れるものではないということ、すなわち、日本文化に分かれ志向があるということ、それはどんな事象であるのか、そして、むしろ日本史の発展に、分かれ志向が大きく影響を与えているということを述べた。

哲学的事象、例えば、存在・認識・知・愛などと志向性との関係、また、志向性が能力開発に与える影響などについては、今後の研究課題にしたい。

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  1. heavyの意味をプラス・マイナスのイメージで分類する。

(i) プラスイメージ:…に強い[on…]、[口語] 重要な、有力な、金持ちの、[俗語]素晴らしい

(ii) マイナスイメージ:陰気な、憂いに沈んだ、酷い、骨の折れる、(パン・ケーキなどが)生焼けの[膨らんでいない←重い]、(ガソリンなどを)大量に消費する[heavy on oil]、(天気が)激しい、(海が)荒れた、(食べ物が)しつこい、(土が)粘つく、(道が)ぬかった、(空が)うっとうしい、(文章・芸術などが)面白くない、(人が)鈍い

なお、イディオムは全てマイナスイメージである。

(iii) play the heavy father(厳しく叱る)

come the heavy (father)(偉そうに見える)

on the heavy [俗](犯罪行為に従事して)

hang heavy [=lay heavy](重くのしかかる)

cf. Time hangs heavy on her hands.

(彼女は時間を持て余している)

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