英語の6つの力

今日は英語の本質に関わる話をしましょう。私は、英文が生まれるのに6つの力が関わっていると思っています。

そして、主語や目的語、動詞や形容詞などの品詞が、それぞれに影響し合っていると思われるのです。

つまり、文の要素(主語や目的語など)や、英語の品詞は、他の要素や品詞から独立しているのではないということです。

次の表で説明しましょう。

6つの力

力の主体

その方向

与えるもの

主述一致力

主語

()動詞

()動詞の形

格付与力

*1

動詞

前置詞

名詞句

名詞句

対格、与格

斜格

θ役付与力

*2

動詞

形容詞

名詞句、前置詞句

名詞句、前置詞句

主題、動作主、被害者、受益者、位置, etc.

他動力*3

(他動性)

他動詞

目的語名詞句

意味的な影響

指示力*4

(指示性)

定冠詞・不定冠詞・指示形容詞

名詞

名詞の具体性

名詞の特定性

照応力*5

(照応)

定冠詞

代名詞

名詞・修飾表現・具体的事物

照応関係

 

 

 














注1:主格は特別のもので、厳密には動詞が与えているのではない。対格とはgive a girl a dollにおけるa dollに与えられる格で、与格とはa girlに与えられる格である。斜格とは前置詞が与える格のこと。名詞の形を変えることはないが、代名詞の形を変える力となる。

注2:θ役(シータ役)とは、言語学上の専門語で名詞句に与えられる意味役割のこと。

注3:「他動力」は、ここで主張している「6つの力」を「力」という語で統一するための私の命名であるが、言語学的には「他動性」(transitivity)と呼ばれる。

注4:「指示力」も私の命名であるが、言語学的には「指示性」(referentiality)と呼ばれ、名詞句がどの程度頭に描けるかに関するレベルを言う。例えば、I need a pen.(ペンが必要だ)のa penよりもI bought a pen.(ペンを買った)のa penのほうが具体的に頭に描けるので、指示性は高い。

注5「照応」という概念は、代名詞や定冠詞が何を指しているかということである。例えば、英文中で、…John….Mary….he…..という流れがあれば、heJohnを指している可能性があるわけで、heJohnという名詞に対し、照応力を発揮するわけである。

 

以上の「6つの力」は、英語の構文を理解するのに不可欠の力です。上で挙げた「○○力」は漢語の形で書きましたが、もう少し分かりやすい言い方をすると、次のようになります。なお、第1と第2の力は英文の構造上見えますが、第3から第6までの力は見えません。

 

1の力 主述一致力 = 動詞の形を決める主語の力

2の力 格付与力 = 目的語の形を決める動詞や前置詞の力

3の力 θ役付与力 = 意味内容を決める動詞や形容詞の力

4の力 他動力 = 目的語に影響を与える他動詞の力

5の力 指示力 = 名詞の具体性・特定性を決める冠詞や指示形容詞の力

6の力 照応力 = モノやコトを指す冠詞や人称代名詞の力 

コメントを残す