temple(寺)とtemple(こめかみ)の不思議な関係

久しぶりにブログを更新します。今日はtempleという単語についてのお話です。この単語「寺」の意味だけでなく「こめかみ(蟀谷)」の意味があります。

この2つの意味—「寺」の意味と「蟀谷」(こめかみ)の意味—は、一般的には、異語源とされています。というのは、temple(寺)は「神殿」を意味したtemplumというラテン語に由来し、temple(蟀谷)は「時」を意味したtempusというラテン語に由来するとされるからです。たまたま現代英語では、綴りが一致したのです。

しかし、templumも、tempusもともに、元をたどれば、古代ギリシャ語のtemnein(切る)に到達するようです。「永遠の空間から切り取られた聖なる空間」がtemplumであり、「永遠の時の流れから切り取られた時間」がtempusと言われるようになったとされているのです。

このtempusに由来する英単語は、temporary(一時的な)やtempo(拍子)であり、そしてtemple(蟀谷)です。蟀谷は、脈をうち、時間を刻んでいる、いわば「頭の時計」であると考えられたのです。

temneinと関わりのある英単語の代表として、atom(原子)とanatomy(解剖学)があります。atom(原子)は、<a(否定)+temnein(切る)>で、「これ以上切れないもの」という意味から来ています。一方、anatomy(解剖学)は、<ana(=up)+temnein(切る)>で、英語にするとcut upとなり「切り尽くす」の意味となります。元来「切り尽くす」という意味から来ているのです。

いずれにしても、temple(寺)は「切り取られた空間」、temple(蟀谷)は「切り取られた時間」ということで、ともにルーツが同じだったようです。

私は、templeと関係があるcontemplation(沈思黙考)という単語が好きです。<con(一緒)+temple(神殿)+tion(こと)>に分析できますが、古代「聖なる空間に集まって沈思黙考した」ことを象徴する単語です。temple(寺)でcontemplateして、しばし時間を費やせば、temple(蟀谷)が脈打ち、一定の悟りの状態になるのではないかと考えてしまいます。

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